キミと、光の彼方へ。
バイト終わりで1人きりの帰り道。

私は必ず砂浜の上を歩いてから帰る。

夜風が肌をすり抜け、汗ばんだTシャツを揺らす。

波が寄せては返すその音を聞くだけで心が落ち着く。

しばらく聞いていると、だんだん心が浄化されて眠たくなってくるんだ。

それがサインみたいなもので、私は立ち上がり、家へと足を速める。

これがいつもの流れ、だった。

しかし、今日は、砂浜に背を向け、波打ち際から数十メートル離れたところで、立ち止まってしまった。

不安の波が押し寄せて来たのだ。

私の心を埋め尽くして海の底へと沈めていく。

心がダメだと叫ぶ。

しっかりしろと言う。

だけど、私はその場にしゃがみこんだ。

耳を塞ぐ。

目を閉じる。

不安の中身なんて複雑すぎて分からない。

分からないけど、辛くて苦しい。

呼吸が荒くなる。

あの時と同じ。

同じ呼吸の仕方をしている。

溺れる。

溺れたら...その時は......。


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