キミと、光の彼方へ。
私は灯台の灯りだけを頼りに浜を捜索した。

埋まっていやしないかと、砂を掻き分けて探したものの、全く見つからなかった。


「どこに行っちゃったんだろう...」


途方もなく長い砂浜の上を何回も往復したけれど、何度見てもそれらしきものは見つからなかった。

私は1度しゃがみこんだ。

さすがに足が棒になっていた。

スニーカーには大量の砂が入り込んでいた。

私は靴下を脱ぎ、裸足になってゆっくりと立ち上がり、足を前に出した。

絶対ある。

絶対見つかる。

そう信じて何度も何度も往復し、ふと思い出した。

もしかして......。

疲労でパンパンになったふくらはぎを無視して、走りにくい砂浜を駆けた。

寄せては返す波の音をBGMにひたすら走った。

そして、見えてきた。

マーメイドロード。

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