キミと、光の彼方へ。
「もういい。離して」

「離すわけねえだろ!」


怒鳴り声が小さな洞窟に響き渡る。

その反響に私は息を飲んだ。


「分かったんだよ。いや、もうとっくに気づいてた。俺には......俺には......桑嶋珠汐奈が必要だ。桑嶋がいないと、ダメなんだよ、俺...」

「そんなことない。だって今だって...」

「跳ぶことは出来ても記録が出ない。全然出ない。それでスポーツ推薦もなくなったし、俺だってほんとは......ほんとは、ぼろっぼろで、破れっちまいそうなんだよ」


そう......だったんだ。

最近の私は自分のことばかりで、全然周りを見ることが出来ていなかった。

毎日顔を付き合わせ、痴話喧嘩をしていた相手のことさえも、全く把握出来ていなかった。

本当は、キラキラなんかしていなくて、まだ小石を必死に磨いている途中だったんだ。


「俺、前に言ったよな。傷を舐め合うんじゃなくて、壁を一緒に乗り越えて行きたいって」

「うん...」

「もっかいさ、俺と頑張ってくれねえか?」

「いや、でも......」

「桑嶋と越えたい。桑嶋と一緒に越えた先の景色を見たい。そんな理由じゃダメか?外見だけ体裁整えて中身はぼろぼろな俺じゃダメか?」


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