キミと、光の彼方へ。
「ん?あれ、碧海じゃん」


お弁当を食べ進めているときに急に砂良が柵の方に乗り出した。

私はびっくりして、あやうくご飯を喉に詰まらせるところだった。


「えっ?砂良、碧海くんと知り合い?」

「まぁね。去年同じクラスだったんだ。ちなみに、テニス部女子の人気ナンバーワン」

「そう...なんだ」


知らなかった。

まさか、砂良と同じクラスだったなんて。

そして今は...


「珠汐奈、席隣だよね?」

「うん。あと委員会も一緒」


私がそう言うと、砂良はあからさまに嫌な顔をした。


「うわぁ、マジかぁ...」

「えっ?何?何か悪いことでも?」

「碧海はさ、運動部の女子の間じゃあ、女たらしで有名なんだよ。あんまり関わらない方がいいね」


女たらし......

そう言われればそんな気もしないでもない。

ずけずけ来るし、紛らわしい態度取るし...。

信頼出来そうな人だったのに、急転直下だ。


「うわ、言った矢先にほら!あっちのベランダ女子に手振ってるよ...。もぉ、最悪。あんなやつのどこがいいんだか...。うちの仲間の目、みんな節穴だ」

「あははは......」


笑っていられるような状況なのだろうか。

私は急に不安になり、胃が縮まって食欲がなくなった。


「珠汐奈、大丈夫?なんか顔色が...」

「ううん、大丈夫大丈夫!」

「ビビらせてごめん。でも、マジで厳重警戒ね」

「分かった」


それからというもの、私は碧海くんとなるべく接触しないように気を使いながら日々を過ごすことになった。

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