キミと、光の彼方へ。
「おはよ」

「あっ......」


目の前には汗が額から吹き出ている、
ザ・スポーツ男子がいた。

どうやら、見られてしまったようだ。

私は恥ずかしくなり、両腕で膝を抱えてそこに顔を押し潰した。


「えっ?大丈夫?」

「大丈夫じゃない」

「えっ、どこか痛い?熱ある?」

「そんなんじゃない」


この方、大げさすぎやしないか。

私が眠いだけってこと分からないの?

鋭い時と鈍い時の差が激しすぎる。

それとも、わざと?

考えたって分かるわけない。

なら、もういい。

私はすっと立ち上がった。


「早く仕事終わらせよう」

「えっと...」

「いいから、行こう」


取り敢えず歩き出してみる。

でも、その数秒後には、私の腕は思いきり捕まれた。


「えっ」

「そっちは逆。こっち」


私はずるずると彼に引きずられていく。

その眩しい背中を私はただ見つめることしかできない。

今日も彼は彼の色で輝き、大地の上で力強く歩いているように思えた。

そして、左腕に伝わる温度にほんの少しだけ熱を感じていた。

それは感じてはいけないものだったのかもしれない。

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