二人の距離~やさしい愛にふれて~
外泊
草野との話を終え、理花の病室に2人で向かうと理花はすでに洋服に着替えておりうっすらと化粧をしていた。

「おっ!理花今日もおしゃれしてるじゃん。可愛いよ。」

恭吾は理花の顔を見るとそう言って頭を撫でる。

「お前は人前で恥ずかしげもなく…。」

その後ろで陽斗が顔を真っ赤にして照れていた。

「今の若い人たちってこうなんやろうね。田舎者にははずかしすぎるよ。」

恵子も二人を見て笑っていた。

「もうすぐに家に帰っていいんですかね?」

恭吾が恵子に向かって問いかけると、恵子は腑に落ちない顔をしている。

「家に帰るん?どこの?」

「あれ?外泊するって…。」

恭吾の言葉に理花はすごく驚いていた。
草野からまだ正式に話をされいなかったのだ。

「今日いいって?いつかってお話だったけど?」

「今、俺たち先生に呼ばれて今日してもいいって話されたよ。」

陽斗が意味が分かっていない様子の恵子に説明すると、それを聞いていた理花が「やったぁ。」って喜んでいた。

「いっつも恭ちゃんたち帰ったあとって夜淋しいから、ずっと一緒に入れるのはうれしい。」

そう言うと理花は恭吾の腕に自分の腕を絡めて肩に顔をうずめる。

「そうだよな。一斉にみんな帰るから淋しいよな。」

そんな理花が可愛くて恭吾はまた頭をやさしくなでた。

「でも、じゃあなんで理花はそんな恰好してるんだ?」

陽斗が疑問に思ったことを聞く。

「恭吾君とデートするつもりだったのよ。昨日から何を着るか迷ってやっと決まったところだったのよね。」

恵子は嬉しそうに理花に話していた。
理花が外に出ることに積極的なことがうれしかったのだ。
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