冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
この罪は消えてなくなるものではない。
だから――彼女に嫌われていても、仕方ないのだ。
末永く善き友人になりたいと願った存在にとって、俺は最初から……そうして彼の最期まで、縁なき赤の他人であり続ける選択をした。
月日は流れ、成人を迎えて大人になった澪は、多くの男性の目を引く美しい淑女に成長していた。
血統書付きの猫のような印象を受ける黒目がちの大きな瞳、奪いたくなるほど形の良い赤く艶やかな唇。
緩くウェーブがかった黒髪はサイドを胸元に垂らした自然なシニヨンに結い上げられており、晒された頸は、日に当たる機会が少ないためか雪のように白い。
長い睫毛に彩られた二重瞼は、人見知りなのか伏し目がちなことが多い。
頬に影を落とす仕草に目を奪われた女性が、『綺麗なお嬢さんね』とため息をこぼした。
そんな人形のごとく美しい相貌を持つ彼女に、恋人がいるという噂がないのは、同じく王子様然とした美貌を持つ弟のガードが硬いせいだろう。
だが、その湊征君が席を外している隙を狙う輩も多い。
だから――彼女に嫌われていても、仕方ないのだ。
末永く善き友人になりたいと願った存在にとって、俺は最初から……そうして彼の最期まで、縁なき赤の他人であり続ける選択をした。
月日は流れ、成人を迎えて大人になった澪は、多くの男性の目を引く美しい淑女に成長していた。
血統書付きの猫のような印象を受ける黒目がちの大きな瞳、奪いたくなるほど形の良い赤く艶やかな唇。
緩くウェーブがかった黒髪はサイドを胸元に垂らした自然なシニヨンに結い上げられており、晒された頸は、日に当たる機会が少ないためか雪のように白い。
長い睫毛に彩られた二重瞼は、人見知りなのか伏し目がちなことが多い。
頬に影を落とす仕草に目を奪われた女性が、『綺麗なお嬢さんね』とため息をこぼした。
そんな人形のごとく美しい相貌を持つ彼女に、恋人がいるという噂がないのは、同じく王子様然とした美貌を持つ弟のガードが硬いせいだろう。
だが、その湊征君が席を外している隙を狙う輩も多い。