冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
親戚気取りの老齢の紳士やその息子に声をかけられては、困惑したように瞳を揺らし儚く微笑む姿は、俺の中に燻り続けていた庇護欲をひどく掻き立てる。
月日がいくら流れようと、俺の中の澪はまだ、大切な庇護すべき存在だったのだ。
しかし、俺と彼女に接点など皆無。
どうやって彼女を助けようかと考えて、考えた末、結局いつも強引に割って入るほか方法が見つからなかった。
『これはこれは、東山産業の代表と常務ではないですか。お久しぶりです。お元気そうで――』
なんて、表情筋を無理やり動かし、にこりと笑顔を作る。
親切で社交的に見えるように作った表情が、実は影で〝絶対零度の微笑み〟と恐れられているのを知らないわけではない。
有無を言わさず彼らを澪から引き離すのは造作もないのだ。
そんな最中……胸の奥深くに巣食う独善的な独占欲に気が付いたのは、いつだっただろう?
気がつけばいつも視線が彼女を探している。
彼女を目に写すだけで苦しいほどに胸が締め付けられ、腹の底から湧き立つような慕情と劣情が俺の体を焼き尽くす。
月日がいくら流れようと、俺の中の澪はまだ、大切な庇護すべき存在だったのだ。
しかし、俺と彼女に接点など皆無。
どうやって彼女を助けようかと考えて、考えた末、結局いつも強引に割って入るほか方法が見つからなかった。
『これはこれは、東山産業の代表と常務ではないですか。お久しぶりです。お元気そうで――』
なんて、表情筋を無理やり動かし、にこりと笑顔を作る。
親切で社交的に見えるように作った表情が、実は影で〝絶対零度の微笑み〟と恐れられているのを知らないわけではない。
有無を言わさず彼らを澪から引き離すのは造作もないのだ。
そんな最中……胸の奥深くに巣食う独善的な独占欲に気が付いたのは、いつだっただろう?
気がつけばいつも視線が彼女を探している。
彼女を目に写すだけで苦しいほどに胸が締め付けられ、腹の底から湧き立つような慕情と劣情が俺の体を焼き尽くす。