冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
「意地悪? そうだな。初心過ぎる君が見せる可愛い表情を、どうやったら引き出せるかと画策はしている」

皇帝然とした美貌に少し悪い笑みを浮かべて、赤い舌先で自らの唇を色っぽく舐める仕草があまりにも様になりすぎて、くらくらする。

今からなにをされてしまうのだろう、と不安と期待が入り混じったような気持ちで、彼を見上げる。

「……そんな顔で見られると、加減ができなくなりそうだ」

宗鷹さんは苦しげに眉根を寄せ、さらに私の腰を抱きかかえて体を密着させた。
その双眸には抑えきれない独占欲や熱情が揺らめいている。

「遅くはなったが、約束通りもっと気持ちい良いキスを教えてやる」

低く甘い声音で囁かれたかと思うと、次の瞬間には奪うように唇を重ねられた。

ゆっくりと食むようなキスが、次第に激しくなっていく。角度を変え、互いの鼻筋が触れ合うたびに鼻にかかったような息が漏れてしまう。

体の触れている部分全てがたまらなく熱くなり、それだけでもとろけそうだと思った。
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