冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
さらに視線を下へ向けると、彼のすっと通った高い鼻梁が、私の胸を掠めてしまいそうな位置にあることに気がついた。

あ、ああ、当たってしまう……! 下着をつけていれば良かった……っ。

その距離があまりにもわずかなせいで、小さな揺れでも触れそうだと気付いた途端、やわらかな胸が緊張感で張り詰め、きゅっと痛む。

ベッドに横になってもすぐに寝付けなくなったせいで、上質な睡眠を少しでも長い時間得るために、ナイトウェアやアロマなど色々試していたのだが、そのうちのひとつがワイヤー入りのブラジャーだけでなく、ナイトブラなどの胸を締め付ける下着は身につけない、だった。

今夜は他人の家といえど、あとは寝室に帰ってベッドで大人しく眠るだけだと思っていたので、ブラジャーをつけていなかったのが仇になった。

それにこのパーカーはオーバーサイズでぶかぶかだし、ぱっと見ても、誰も下着をつけていないなんてバレないと思ったから……っ。

長い足で彼が歩くたびに、私の視界がわずかに揺れ、下着に支えられていない胸が上下に揺れる。
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