俺の大切なひと。


その後は一族の若者から賛同を得て仲間を増やしていて、神社にも来ていたんだけど彼女はもう来なくなっていた。
俺は、碧が好きだ……隣にいて欲しいのは碧だけ。

だから、結界が強力な桜堂家へとやってきていた。きっと碧は帰っているはず……ああ、さすが退魔士一族の屋敷だ。妖力消耗が激しい。

「柊っ!」

……会いたかった彼女が目の前にいる。


「会いたかった、碧……っ」 

「ちょっと来て!!」

碧に強く手を掴まれ、引っ張られる。そして妖力を回復にいい桃の木の近くに連れて行かれた。少し疲れてたし、助かったかも……。


「柊っ! なんで、来たのっ……私の家は危ないって知ってるでしょ!」

「うん知ってる」

「じゃあなんで……なんでこんなことしたの? 結界触れたら死んじゃうかもしれないんだよっ」



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