僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

「い……いいえ。
 私はただ……
 慶介くんにわかってもらいたくて」



「彼女に暴力振るうなってことだろ?
 悪い。盗み聞きしてた」



「しーちゃん、
 慶介くんのことが大好きなんです。
 だから怒鳴られても殴られても、
 自分のせいって。

 でも……私は……
 顔にあざを作るほど殴られた
 しーちゃんを見るのが、辛くて……」



 私の思いを、必死に言葉にした。

 慶介くんのことを変えられるのは
 総長さんしかいないって確信したから。



「慶介さ。
 地はすっげー良い奴。
 仲間想いでさ。
 誰かがいじけてると笑い放り込んできて
 空気あっためようとしてさ」



 普段の慶介くんが優しい人だってことは、
 私も知っているよ。

 しーちゃんが幸せそうな笑顔を浮かべて
 話してくれるから。



「でも、
 親のことで抱えてるもんがあってさ。
 あいつの心ん中、
 どす黒いもんが住み着いてたりするわけ」




 だからって
 しーちゃんを殴って良いわけないもん!!
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