僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 僕の横に
 すとんと腰を下ろしたマー君。

 真剣な瞳が
 なぜか僕を見つめている。



「春、頼むな」



「ん?」



「ヒーローショー。
 お前がセンターなんだから」



 僕、自信ないよ……



「SNSでもかき込みあったし……
 僕がヒーローなんて
 かっこよさに欠けるって……。
 センターが僕で、大丈夫?って……」



「お前なら大丈夫だから」



 僕をいつもバカにするマー君に言われても、
 説得力ないんだけど。



「顔だけで言えば、カッコよさで
 春に負ける気はしねえけど」



 けど、なに?



「ま、アクションに関しては、
 俺様も勝てねえよ。
 お前のカッコよさに」



「ちょっと……
 本気で言ってる?」


 
「春、マジで頼むな。
 蓮見も怪人役、はりきってるからな」



 いつも魔王並みに
 上から目線な番犬マー君は。

 ほとんど吠えることなく
 穏やかで痛々しい笑顔を、咲かせていた。
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