僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

「僕が叶えてあげよっか?」


 叶える? 何を?


「みゅうみゅうを
 カッコいいヒーローにしちゃうんだから」


「え?」


「駄菓子屋さんのおばあちゃんに
 お願いしてあげる。
 ヒーローショーやらせてって」



 ………ヒーローショー……?



 ちょっと待って、待って。


 何、この。
 全く予想していなかった展開は!!



「みゅうみゅうはレッドね。
 僕はイエローかな。
 マー君が怪人で
 駄菓子屋のおばあちゃんを人質にしちゃうの」


「春輝くん、
 それ、本気で言ってるの?」


「うん。多分できるよ。
 だって、僕もマー君も。
 中3までアクションを習ってたし」


 私の夢。
 ヒーローショーに出たいってことじゃ
 ないんだよぉ。


 でも、そんなこと言えない。

 春輝くんの笑顔を見たら
 言えるわけないよ。



 『いいこと思いついたでしょ!』

 そう言いたげな
 春輝くんのにんまりスマイルが
 朝日よりも眩しいく輝いているから。


 なんとか、断らなきゃ。
< 32 / 375 >

この作品をシェア

pagetop