僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 足までガタガタ震え

 現実を見ないようにと、
 瞼を閉じた時



「大丈夫ですか?」



 マイクを通した柔らかい声にハッとして、
 思いっきりつぶっていた目を
 恐る恐る開けてみた。



 肩まであるカフェラテ色の
 フワフワ髪をなびかせた美女が、

 私の肩に右手を置き、
 心配そうに私を見つめている。



 左手には、ハンドマイク。



 そして 
 ステージ中央まで駆けていき、
 お客さんに向かって叫びだした。



「みんな、お願い! 
 アミュレンジャーを呼んで!」



 ひょえぇぇぇぇ!!


 それって、今からここに
 春輝くんが登場するってことだよね?



 やめて! やめて! 


 せめて
 私の縄をほどいてから。


 いやいや……


 この会場から
 私が逃げ出してからにして!!
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