Fate×Love~大切な愛と命~
母の強い意思で、杏梨は宝生本家の子供に・・・

それからは、2人差別されることもなく今の生活を送ってきた。

それなのに・・・

中学1年生の時――

夜中、杏梨だけが呼ばれた。

『杏梨・・・そろそろ話しておかなきゃいけないわね。』

「んー?」

『杏梨、お前は俺の子じゃないんだ・・・』

『お母さんがお腹を痛めて産んだ子でもないの・・・』

『ごめんね・・・あなたは、私達と直接血が繋がっていないの。』

“血が繋がっていない”

私は一瞬、本当に頭が真っ白になった。

「愛梨は?」

『愛梨は・・私達の子なの。』

「ど・・・うして?どうして!!
私だけがのけ者?!
もういい!!」

杏梨は、部屋を飛び出してしまった・・・

『っ・・・まだ早かったかしら?』

『早かれ遅かれ、いつか知らなきゃいけないことだよ―――』

翌日。

愛梨が目を覚ましたとき、杏梨はいなかった。

両親達に聞いても、流された。

そして、昼間聞いてしまったのだ。

たまたま、リビングに下りてきたときだ。

話し声が聞こえた。
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