ビッチは夜を蹴り飛ばす。
 

「ごめんなさいいぃ」

「うんうん」
「めっっっちゃ笑顔」
「可哀想な目にあって泣いてる人間てぞくぞくする」
「おまわりさんこっちで———す!!」


 頬杖ついてしっかり惨めなあたしを堪能したら、おいでって言われてユニットから出る。その際嫌がらせでびしょ濡れのまま抱きついたら、今度は冷たい、っつって硯くんは自分もろともあたしに向かってお湯をかけた。

 それで見上げたらシャワーを浴びながらキスされて、鼻で呼吸出来ないからんうう、って苦しくなって口を開けたら舌が入ってきてもうなんだこれなにがしたいんだ!

「くっるしいよ!」

「だからお仕置きだって」
「まだ終わってなかったの!?」
「甘やかされたい?」
「甘やかされたい!」

 すごく、とうなずいたらきゅ、とシャワーを留めた硯くんに今度はやさしくキスされる。お互い濡れながらやらかく角度を変えられて顎を引き、ちゅ、と音を立てて離れたら恋しくて腕を回す。そしたら腰の辺りに置いてた手がする、って胸の膨らみに触れるから小さく声を漏らしたら親指で軽く先をかすめられてぴくん、と体が跳ねる。それで、それで。

「…え、まって」

「いや洗ってあげようと思って」
「恥ずかしいっ」
「甘やかされたいって鳴が言ったんじゃん」

「ちょ、やだ、どこ触っ…ん、ぁっ!」

 服の上から手で液体のボディソープ塗りたくられてそのあとめちゃくちゃ硯くんが自分でも触ったことないようなそこかしこ二時間くらいかけて触ってきたから結局服は綺麗になったかわかんなかったし、









 翌日二人おそろでめちゃくちゃに風邪ひいた。





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