裏切り姫と恋の病
私の存在に、いち早く気づいた花音が、悲痛な面持ちで、ひたすら謝る姿が目に映る。
声がでない。
なにに反応していいのか分からない。
二人がキスしていたこと?
いつからそんな関係に?
私の気持ち知ってるよね?
なのに、どうしてこうなった。
本気で理解できない。
「……っ」
泣きたくないのは女の意地なのか。
下唇を噛み締めながら、涙をこらえ。
持っていた茶袋を落としたことにさえ気づけないほど、この場から早く居なくなりたかった。
勢いよく倉庫から出ると
一緒に買い物に行ったメンバーが車から荷物をおろし終えて、一息ついている時に。
前から勢いよく走ってきた私と、ーードンッと肩がぶつかったけど。
謝る余裕なんかなかったから、そのまま走って、倉庫から離れる。
後ろから「希乃香ちゃん!?」と、ぶつかったであろう相手の声が聞こえてくる。
けど、それを無視してひたすら走り続けたら。
ピタリと止まったとき。
その場所は、道路の真ん中で。
横には草木しか生えていない、車もあまり通らない様な場所だった。