裏切り姫と恋の病
それじゃあ私は……?
私の道しるべはどこにあるっていうの?
彷徨い続けて数十年の月日が流れたのに、未だにどこへ向かえばいいのか分からない。
やっと光を見つけたと思ったのに。
その光は、いつも傍にいてくれた人が簡単に掻き消した。
もう……誰を信じればいいのか分からない。
ていうか、元々私に信じられるものなんかあったの?
いつも1人で生きてきたじゃん。
この一年間、ずっと周りに人がいたせいで鈍ってしまった感覚を取り戻さなきゃ。
……一人でいい。
孤独こそが、私の最大の味方だから。
もうどうなったっていいんだ。
来た道を引き返し、私の体をすり抜けていく風が喉を冷やした。
辺りは薄暗くなっていた。
戻ってきた倉庫の影が、不気味に感じてしまうほど異様に大きく見えるのは、私の居場所じゃなくなってしまったからなのかな。