意地悪執事はお嬢様を独占したい
朝のチャイムがなり、HRが始まる。
それでも千結様は来なかった。
連絡もきてない……。
「きりーつ。礼」
日直が終わりの号令をかけ、教室が急にざわざわうるさくなる。
俺は教室を飛び出し、校舎を回った。
運のいいことに2時間目まで授業がないためたっぷり探す時間がある。
屋上、体育館、図書室、裏庭、行けるところ全部回ったが千結様はいなかった。
生徒玄関の前を通り他の階をもう一度探そうとすると、後ろから
「一条先生」
と聞きなれた声が聞こえた。