意地悪執事はお嬢様を独占したい
誕生日……?
そんなのすっかり、忘れてた。そうだ。私、もうすぐ誕生日だ……。
覚えててくれたんだ。
またぶわっと涙が溢れる。
「……っ、あり、がとう…っ」
涙を優しく拭ってくれる一条にそのまま飛びつき抱きしめた。これでもかってくらいの力で。
すると、急に体が離された。
えっ、とショックを受けていると一条の顔がドアップに。
そのまま唇に柔らかい感触が伝わった。
不意打ちのキスに顔が熱くなり、一条を見つめると、
「…もう、俺のだから」
そう意地悪く微笑む一条がいた―――――――。