暗闇の先に…
正月休みも残り2日…
今日は朝から天気も良くて、午前中に洗濯物と掃除を終わらせた私は 駅近くのスーパーに食材の買い出しに来ていた
特売品を物色しながらカゴに入れていく
一週間分の食材を買い、重たい荷物を両手に持ち寮に向かう
冷たい海風がビュッと髪の毛を攫った時、私の足は地面に張り付いたかの様に止まってしまった
「久し振りね……突然 消えたと思ったら、こんな田舎にいたとはねぇ。噂は本当だったんだぁ」
ニヒルに笑うと、ゆっくりとした足取りで近づいて来る
「……」
「最近、輝真や他のメンバーがコソコソ動き回ってるから、下っ端君に問いただしたの。そしたら、彩夢を探してるって言うじゃない……」
口元は笑ってるのに、目が全く笑っていない菜摘から私は目を逸らした
沈黙がこの場の空気を重くする
ゴクリと飲み込んだのは、私の感情だろうか…
ギュッと握った掌には冬には似合わない汗が滲んでいた