暗闇の先に…


ザザーン



砂浜に座り、夜空を見上げ 耳に入ってくるのは波の音


その音が心地よくって目を閉じた



波の音に紛れて車の音、バイクの音を聞いてると気持ちがだんだん落ち着いていく



そんな中、突然 名前を呼ばれた



「…彩、夢?」



ハッとして振り返ると、砂浜へと繋がる石の階段の所に人影が見える


外灯がうっすら その人の輪郭を照らしている


目を凝らして その姿を見た瞬間、頭が真っ白になる



ーーー何で、ここに…?


疑問はあるのに声が出てこない


その人が足早に私に近づくと、まるで壊れ物を扱うように優しく抱き寄せた



「彩夢……ずっと探してた。ずっと…謝りたかった。彩夢……、悪かった」




「…………ッ」


久し振りに聞いた陸斗の声……

その背中に回しそうになった手が行き場を失くして宙を彷徨う


グッと掌を握り締め、腕を下ろした

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