暗闇の先に…
陸斗は、私を抱きしめたまま話し始める
「あの日…お前が輝と抱き合ってるのを見て嫉妬した。お前の話しも聞かず…結果、お前を失った……ホント馬鹿だよな……失って後悔するとか……」
「陸斗……お願い、離して。……陸斗には、菜摘がいるじゃない」
陸斗は背中に回した手を、肩へと移し私と距離をとった
「菜摘?……あぁ。菜摘とは付き合ってねぇよ」
「…………え?」
顔を上げ、陸斗を見る
「…………そんな筈、ないでしょ?だって………」
菜摘自身から、付き合っている事は聞いた
それに、キスもしてたじゃない…
色んな感情が体中駆けめぐって、言葉が詰まる
「自暴自棄になってた時、感情に流されてキスした。馬鹿だよな、むしゃくしゃしてたからって好きでもない女と関係を持とうとしたなんてな…でも、キス以上の事はしてねぇ」
苦しげに歪んだ顔、長い睫毛が目に影を作り まるで泣いているみたいに見えた