子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
藍奈は独身で、大手町にある大手コンサルティング会社で事務員として働く。
彼氏は大手メガパンク「帝和銀行」にお勤め。
銀行では花形の本店の法人営業部所属らしい。
二人は婚約した仲。

近々、我がホテルで両家が集まり、食事会の予定。
「あんただって…正平君がいるじゃん」

「小森君は・・・玲也の保育園の保育士さんよ・・・」

「告白されたんでしょ?」

「そうだけど・・・」

私は彼の告白の返事を保留にしていた。

小森君と私、藍奈の三人は高校時代のクラスメイト。彼は陸上部所属。短距離選手として、インターハイの入賞を果たすほどの実力者。

日本体育大学に進学し、オリンピックを目指していたけど、足の怪我の故障で断念した。

彼と再会したのは息子・玲也の入園式。

互いに驚き合ったのが昨日のように思える。
私がシングルマザーと知り、彼はあれこれと世話を焼いてくれた。

玲也の五歳児クラスの担任なってからは一層彼に世話になるコトが増えた。
そして、先日…彼の告白を受けた。

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