子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
社長室に戻ると、黒沼がノートパソコンで昨日の議事録を作成していた。
「戻ったぞ。黒沼」
「変わりはありませんよ」
俺は椅子を腰を下ろした。
「田代チーフが俺と凛香の交際を寿々子さんにチクったようだ」
「それは非常にヤバい状況ですね・・・」
「玲也君は俺の子だと言った方が良かったかな・・・」
「・・・社長、その話ですが・・・」
黒沼は腰を上げて、俺のデスクの前に立った。
「社長」
真顔になった黒沼の声も真剣味が帯びて来る。
「どうしたんだ?黒沼」
「・・・社長が余命告知を受け、その後直ぐに姿を消して、天空島に行きましたよね」
「それは・・・お前から訊かされた・・・」
でも、俺は病院から出たコトも天空島に行ったコトも憶えていなかった。
「凛香さんも同時期に天空島に行っていたと訊きました」
「凛香も・・・?」
「貴方に瓜二つの男性は南条玲斗と名乗っていたそうです」
「南条玲斗だと?
その名前は俺が『ドラゴンホテル・東京ベイ』で修行していた時の偽名ではないか・・・」
「そうですよ・・・
ハッキリ言います。多分、玲也君のパパは社長貴方ですよ・・・
手術の後遺症で・・・凛香さんと過ごした天空島の記憶だけが消えてしまったでしょう」
「じゃあの夢の中で見ていた凛香にそっくりな女性は・・・」
「凛香さん自身ですよ・・・過去を悔やんでも、仕方がありません。
三人の未来の人生を考えて下さい。社長」
「黒沼、俺は少し席を外す。
留守番を頼む。黒沼」
「承知しました。社長」
「戻ったぞ。黒沼」
「変わりはありませんよ」
俺は椅子を腰を下ろした。
「田代チーフが俺と凛香の交際を寿々子さんにチクったようだ」
「それは非常にヤバい状況ですね・・・」
「玲也君は俺の子だと言った方が良かったかな・・・」
「・・・社長、その話ですが・・・」
黒沼は腰を上げて、俺のデスクの前に立った。
「社長」
真顔になった黒沼の声も真剣味が帯びて来る。
「どうしたんだ?黒沼」
「・・・社長が余命告知を受け、その後直ぐに姿を消して、天空島に行きましたよね」
「それは・・・お前から訊かされた・・・」
でも、俺は病院から出たコトも天空島に行ったコトも憶えていなかった。
「凛香さんも同時期に天空島に行っていたと訊きました」
「凛香も・・・?」
「貴方に瓜二つの男性は南条玲斗と名乗っていたそうです」
「南条玲斗だと?
その名前は俺が『ドラゴンホテル・東京ベイ』で修行していた時の偽名ではないか・・・」
「そうですよ・・・
ハッキリ言います。多分、玲也君のパパは社長貴方ですよ・・・
手術の後遺症で・・・凛香さんと過ごした天空島の記憶だけが消えてしまったでしょう」
「じゃあの夢の中で見ていた凛香にそっくりな女性は・・・」
「凛香さん自身ですよ・・・過去を悔やんでも、仕方がありません。
三人の未来の人生を考えて下さい。社長」
「黒沼、俺は少し席を外す。
留守番を頼む。黒沼」
「承知しました。社長」