子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
私達はプールに入った玲也を黒沼さんに任せて、明日の挙式の打ち合わせへとウエディングサロンを訊ねる。

三人の衣装はキチンと用意されていた。チャペルの装飾や食事の内容の最終確認も終え、最後は挙式会場となるチャペルに足を運んだ。

「明日、此処で式を挙げるんだな」

「はい」

チャペルの白い十字架の向こうは全面硝子。
今は黄昏時、青い海は夕暮れ色に染まり、地平線はオレンジ色の光の粒子でキラキラと光っていた。

「柊也さん、大輔さん達にも私に内緒で連絡入れておいてくれたんですね」

「あぁ」

「ありがとうございます」

「少しだけ…思い出した・・・」

「何を思い出したんですか?」

「俺と君はこの島の古びた教会を見ていた・・・」

「柊也さん・・・」

「違うか?」

「いいえ…違わないです。教会の扉には鍵がかかっていて、入れなかったけど、私達はその裏のガジュマルの木の下で愛を誓いました」

「・・・そっか・・・では、明日が二度目の結婚式か・・・」

一度目は結婚式と呼べるモノではない。
でも、二人の中では一度目の結婚式。

二人で夕映えの光が差し込むチャペルでそっとキスを交わした。
< 113 / 119 >

この作品をシェア

pagetop