子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
このホテルの最上階はフレンチレストランとダイニングバーだと思っていた。
その上にはまだ部屋があった。
一旦、最上階を階段で下り、黒沼さんは暗証番号と指紋認証で、金属のドアを開け、目の前に見える階段を上がって行った。
私も彼の後に付いて行く。
階段を上がるとその先には重厚なマカボニーの扉が見えた。
「この部屋で、社長はお待ちです。阿川さん」

「ありがとうございます」

彼はドアを開けて、私を先に招き入れた。

ヨーロピアンテイストに統一されたエクゼクティブスイートのような部屋だった。
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