子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
私は電話を切り、嘆息する。

「誰を迎えに行くんだ?阿川さん」

「え、あ…子供です」

「子供??君、子持ちだったの??」

「あ、はい・・・」

「若いから独身だと思っていた・・・旦那さんに申し訳ないコトしたな・・・」

「主人は居ないと言うか…私シングルマザーで・・・五歳の息子を育てています。
食事の途中で申し訳ありませんが・・・失礼します」

息子の熱で、私の夢のような時間は終わった。

筒見社長は私がシンママだとわかったんだ・・・
きっと彼ともこれでおしまい。

「保育園は何処なんだ?」

「えっ?」

「いや・・・迎えに行くんだろ?
車で送ってあげるよ」

「で、でも・・・」

「シングルマザーで子供を育てるのは大変だろ?
俺の母親も一人で俺を育てていたから…わかるんだ」

「・・・でも・・・悪いです」

「俺が送りたいんだ・・・
阿川さん・・・遠慮するな・・・」

筒見社長も食事を放りだし、上着を着て、外出の支度を始めた。

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