子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
玲也の保育園に到着する頃には一旦雨はやんでいた。
筒見社長は保護者用の駐車場に車を停める。
「ありがとうございます」

「一人で行ける?付いて行こうか?」

「いえ、大丈夫です」
私は笑顔で答え、車から下りて保育園の正門に向かった。

******

「小森先生・・・」

「阿川・・・」

「ママ・・・」
玲也は額に冷えピタを貼っていた。

「仕事中に悪いな・・・お前の母親にも連絡入れたんだけど・・・迎えには来れないって言われて・・・」
「そう・・・じゃ帰ろうか?玲也」

「うん」
私は玲也の荷物も受け取り、手を引いて園庭を歩く。

「ママ、おしごとなのに…ゴメンね・・・」

「いいのよ・・・」

「だって・・・ママがはたらかなかったら、僕のおウチ、お金なくなるんでしょ?」

「玲也はそんなコト心配しないの・・・ママが何とかするから・・・まずはおウチにかえって、寝ましょ」

「うん。かえったら、がんばっておねんねして、おねつさげて、明日ちゃんとほいくえんのいくから・・・」

「玲也・・・」

「それが僕のおしごとだもん・・・」

「玲也は優しい子ね・・・」

私は健気な玲也の優しさに瞼の裏が熱くなった。

「私は本当にダメなママね・・・
子供の貴方に一杯心配させて・・・」

「ママ・・・」

やんだはずの雨がまた降り出した。

「ヤバい・・・」

玲也の傘を差そうとすると誰かが私達に傘を差しかけた。



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