子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
「ほら、早く子供の傘差してやれ」

「あ、はい」

私は慌てて子供傘を差し、玲也に渡した。

「ママ、このお兄ちゃん誰??」

「え、あ・・・」

「俺は筒見柊也。ママの働いているホテルの社長だ。玲也君」

「しゃちょう??」

「一番偉い人よ。玲也。ちゃんと挨拶して」

「分かった・・・僕はあがわれいやです。
ぞう組です。よろしくおねかいします」

「五歳児ともなるとちゃんと自己紹介ができて、挨拶もできるんだな・・・」


「うん、ほいくえんの中では一番お兄ちゃんだもん」

「そっか・・・雨足が強くなって来たぞ・・・車まで走るぞ。玲也君」

「車??僕、車ダイスキ!!」

「阿川さん、肩が濡れてるよ」

筒見社長は私の肩を抱き寄せた。

「社長??」

「濡れたら、困るだろ?」

「そうですけど・・・」
彼の手が触れる肩が妙に熱く感じる。

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