子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
私はこの島が初めての南条さんを観光スポットに案内し、ガイドまで務めた。

最後の観光スポット・・・満月島。
砂浜を歩き、二人で海に浮かぶ満月島を見つめる。
「月に一度、満月の夜に、潮の満ち引きで道が現れて、満月島に行けるんですよ」

「明日がその日と言うコトだろ?」

「はい」

「島の言い伝えでは、その道を恋人同士で歩くと永遠の愛を誓い、終生幸せになれるらしいな」

「はい」

「俺はそんな非科学的な言い伝えは信じないけど・・・君は信じてるだろ?」

「あ、はい・・・」

「女の子はジンクスがスキだから・・・」

「私もその一人です・・・」

「君はその道を拓郎と歩いたの?」

「まぁ・・・」

でも、私達は永遠の愛も誓えず、幸せにはなれなかった。

「・・・この島の活性化の為に捏造されたんだよ…君と拓郎が証明している。
幸せは二人で掴むもんだ・・・」

「・・・」

「でも・・・俺もそのジンクスを信じれば…少しは生きる気力出るかな?」

「えっ?」

「最初で最後の恋にしたくないな・・・俺は君とずっと・・・一緒に居たい・・・」

「!!?」

南条さんは不意に私の腰を抱いて来た。

「キスしていい?」

「あ・・・はい」
私は瞳を閉じて、彼のキスに応えた。
重なる唇は柔らかく、温かだった。
余命半年の彼にとってはこれが最初で最後の恋かもしれない。

南条さんは拓郎と瓜二つだけど、それは顔だけ。
性格も愛情表現も全く違う。

キスの後は手を繋ぎ合って、砂浜を歩く。

こうやって、拓郎と手を繋いで、同じ場所を歩いたコトを思い出した。

でも、彼は拓郎じゃない。

「玲斗さん・・・」

「!?急にどうしたの?」
彼は足を止めて振り返り、キョトンとした瞳で私を見た。

「呼んでみただけです」

「そんな可愛いコト言うなよ・・・また、キスしたくなる」

そう言って、彼はまた顔を近づけ、キスを落とした。
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