子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
私のイメージしていた筒見社長とは全く違った。

――――何だか可愛い・・・

クールに仕事をこなしてるけど、黒沼さんと掛け合う社長はまるで子供だった。

悪いと思ったけど、私は笑ってしまう。

「君、なんで笑うんだ?」

「いえ…私の思っていた筒見社長のイメージと随分違うので」

「普段はクールにしてますから・・・でも、実体は違いますよ・・・」

「黒沼!?君も・・・さっさと飲んだら、帰れっ」

「はい…私も用事があるので帰ります」

私はアイスコーヒーをストローで吸い上げ、一気に飲み干した。

「良い飲みっぷりですね…阿川さん」

「それでは失礼します・・・筒見社長、黒沼さん」

私は急いで立ち上がり、社長室を出て行った。



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