子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
今日は土曜日。

ハウスキーピングの仕事は休みで、私は朝から柊也さんの部屋の掃除しようとまずはキッチン掃除。


「じゃ俺は行くよ・・・」
キッチンに立つ私に柊也さんが声を掛けた。

「はい・・・いってらしゃい」
私と玲也は彼をドアまで見送った。
「しゃちょうはおしごと??」

「そうだよ・・・ホテルは休日が稼ぎ時だから・・・あ…別に俺の部屋は適当でいいよ。
髪の毛落ちてても、始末書は書かせないから・・・」

「でも・・・それでは・・・」

「社長の俺が許可してんだ・・・掃除よりも玲也君の相手をしてやれ・・・」

「・・・」

「これ…渡すの忘れた・・・」

「これは??」

「玲也君に為に玩具部屋作っておいたんだ…その部屋の鍵だ・・・」

「玩具部屋??どこ?」

玲也は大はしゃぎして、私の手から鍵を奪った。

「そこの部屋だ」
と柊也さんが指差すと玲也がドアに向かって走ってしまった。

「柊也さん・・・」

「君は俺の秘密を知ったし、俺と一夜を明かした・・・責任取って、結婚するしか選択肢はないよ。凛香」

「それって女性が言うセリフですよ・・・柊也さん」

「行って来るよ!!凛香」

柊也さんはまたキスをして、短く手を振り社長室に向かった。

彼の甘さは極上で、蕩けていた。
玲斗さんも生きていれば、玲也を大切にしてくれて、私のコトもこんな風に愛してくれたかもしれない。


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