子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
息子の父親
午後三時頃。
黒沼さんがお一人で部屋に入って来た。
「黒沼さんお一人ですか?」
「はい…社長は今会議中です・・・私は貴方に訊きたいコトがあって、此処に来ました」
「・・・」
黒沼さんの顔は真剣だった。
「玲也君は?」
「奥の部屋で遊んでいます・・・」
「そうですか・・・」
二人でソファに腰を下ろした。
「貴方に幾つか質問をします。正直に答えて下さい・・・まずは玲也君の父親についてですが・・・何処でお知り合いになりましたか?」
「え、あ…沖縄の天空島と言う離島です」
「相手の男性の名前は?」
「南条玲斗さんです・・・」
「・・・その南条さんとは何か約束をされましたか?」
「一年後・・・逢う約束を交わしました・・・」
「…質問は以上です・・・」
「・・・どうしてそんなコトを訊くんですか??」
私は不思議に思い、黒沼さんに問いただした。
「その南条玲斗と言う名前は偽名です・・・社長が別のホテルで働いていたコトがあり、そこで使用されていた名前です・・・」
「えっ!?それって・・・」
「紛れもなく、貴方が出逢った南条玲斗は社長です・・・
社長は脳腫瘍の手術の際に、記憶障害を負い、貴方のコトを忘れてしまった。
でも、仕事に生活にも支障が出なかったから・・・記憶障害を負った自覚もないと思われます」
じゃ玲也は本当に柊也さんの子・・・
「・・・玲斗さんは生きていたんですか・・・」
玲斗さんは死んでいなかった・・・
「手術は成功したんですね・・・」
「えぇ・・・社長は脳神経外科医としては最高峰の伊集院院長の執刀でしたから・・・」
「良かった・・・」
私は玲斗さんが生きてるその事実が嬉しく思い、瞼の裏が熱くなり、涙が溢れる。
「阿川さん・・・」
黒沼さんは私の涙を見て動揺しながらも、自身のハンカチを差し出した。
「使っていないハンカチですので・・・お使い下さい」
「ありがとうございます」
私は受け取り、ハンカチで涙を拭いた。
黒沼さんがお一人で部屋に入って来た。
「黒沼さんお一人ですか?」
「はい…社長は今会議中です・・・私は貴方に訊きたいコトがあって、此処に来ました」
「・・・」
黒沼さんの顔は真剣だった。
「玲也君は?」
「奥の部屋で遊んでいます・・・」
「そうですか・・・」
二人でソファに腰を下ろした。
「貴方に幾つか質問をします。正直に答えて下さい・・・まずは玲也君の父親についてですが・・・何処でお知り合いになりましたか?」
「え、あ…沖縄の天空島と言う離島です」
「相手の男性の名前は?」
「南条玲斗さんです・・・」
「・・・その南条さんとは何か約束をされましたか?」
「一年後・・・逢う約束を交わしました・・・」
「…質問は以上です・・・」
「・・・どうしてそんなコトを訊くんですか??」
私は不思議に思い、黒沼さんに問いただした。
「その南条玲斗と言う名前は偽名です・・・社長が別のホテルで働いていたコトがあり、そこで使用されていた名前です・・・」
「えっ!?それって・・・」
「紛れもなく、貴方が出逢った南条玲斗は社長です・・・
社長は脳腫瘍の手術の際に、記憶障害を負い、貴方のコトを忘れてしまった。
でも、仕事に生活にも支障が出なかったから・・・記憶障害を負った自覚もないと思われます」
じゃ玲也は本当に柊也さんの子・・・
「・・・玲斗さんは生きていたんですか・・・」
玲斗さんは死んでいなかった・・・
「手術は成功したんですね・・・」
「えぇ・・・社長は脳神経外科医としては最高峰の伊集院院長の執刀でしたから・・・」
「良かった・・・」
私は玲斗さんが生きてるその事実が嬉しく思い、瞼の裏が熱くなり、涙が溢れる。
「阿川さん・・・」
黒沼さんは私の涙を見て動揺しながらも、自身のハンカチを差し出した。
「使っていないハンカチですので・・・お使い下さい」
「ありがとうございます」
私は受け取り、ハンカチで涙を拭いた。