あの夏、君と。〜もう一度笑って〜

「当たり前じゃない!服なんて着てれば乾くわ!」


着てれば……乾く……。

そっかぁ!乾くか!いっか!


この時の僕はかなり馬鹿だったと思う。


僕とエミコは服のまま海で遊んだ


こんなにも楽しいのは久しぶりだった


「なんで翔は、こっちに来たの?」

海を泳いでる時にエミコが聞いてきた

海を背にして、プカプカ浮くエミコ。


「おじいちゃんが死んで、父さんも母さんも1人になるばあちゃんが心配だ。ってことで引っ越して来たんだ」


「そうなの 優しいのね」


「え?優しい?」

そう聞き返すとエミコはニコッとして、

「おばあちゃんが心配だ。って言うお父様とお母様に賛成してついてきてくれるなんて、優しいじゃない!!年頃の子はこんな田舎嫌がるでしょ??」


「そ、そうかな??へへっ」

褒められて恥ずかしくなった。


「エミコは何歳なの?生まれも育ちもここ?」


僕からの質問に、エミコは、

「生まれも育ちもこの海!」


「海大好きなんだね!」

「歳は……95歳!」


!?
95!?

聞き間違えたか??


「エミコ?95って……95歳には見えないよー」

「あはは!冗談よ!翔は何歳なの??」


ん?うまくはぐらかされたよーな……。

女性に年齢聞くの失礼だし、いっか。


「僕は、今年で16歳だよ」


「わっか〜い!翔って、童貞でしょ?」


からかい半分でエミコが聞いてきた。


だけど……図星だ……。生まれてこの方彼女すら出来たことがない。



「ぐっ……。そうだよ……彼女すら出来たことない……」

正直に白状するとエミコはプカプカ浮くのを辞めて、
お腹かかえて爆笑した


一応、僕達初対面なんですけど!?
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