極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
そんなことをぼんやりと考えながら、雨風にさらされ錆び付いた外階段で二階へと上がる。

すると、一番奥にある角部屋の私の部屋の前に人影を見つけた。

玄関の扉に背を預けて座り込むその人の視線は、すっかり暗くなった夜空をぼんやりと見上げている。

こんな時間に誰だろう?

もしかして、不審者……。

一瞬、慌ててしまったものの、よく見ると、見慣れた人物だと気が付き安心する。

けれど、それはすぐに再び焦りへと変わった。


どうして、千紘社長が私の部屋の前にいるの……?


今、一番顔を合わせたくない人の姿に、思わず引き返したくなる衝動に駆られてしまう。

千紘社長がここにいる理由は、おそらく昨夜の件が関係しているはず。

もしかして、私が何も告げずに彼のマンションを抜け出したから、追いかけてきたのだろうか。
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