極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
私は、まだ千紘社長の顔を直視できる自信がない。

もう少しだけ時間が欲しい。

そうすれば、昨夜の件はきれいさっぱり忘れることにするから……。

幸いなことに、千紘社長はまだ私が帰ってきたことに気が付いていないようだ。

逃げるなら今。そう思うのに、足が動いてくれない。

ぼんやりと夜空を見つめる千紘社長の、哀愁漂う横顔を見ていたら、彼をこのままの状態にしてはおけなくなってしまう。

いったいいつからここで私の帰りを待っていたのだろう。

そして、きっと私がこの家に帰るまで、千紘社長はこうしてずっと私を待ち続けているような気がした。

ここから立ち去るのか、立ち去らないのか。

自分の行動に迷っていると、夜空を見上げていた視線がふと私に向けられる。
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