極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
すぐ近くで千紘社長と目が合う。すると、彼は安心したようにふっと笑った。


「よかった。ようやく俺を見てくれた」


私の手首を掴んでいた彼の手は、いつの間にか離れていた。


「あの、責任って……?」


そう問い掛けたとき、私の声でも千紘社長の声でもない声で「すみません」と突然話しかけられた。


「そこ通れないんで、退いてもらっていいっスか?」


振り向くと、階段を上り終えたところに、私の部屋の隣に住んでいる大学生の男の子が立っていた。

どうやら私と千紘社長が廊下を塞いでしまっているようで、自分の部屋へ帰れないらしい。


「あっ、ごめんなさい」


すぐに彼に謝ると、私は長身の千紘社長の背中をぐいぐいと押しながら、角部屋にある自分の部屋まで歩いていく。
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