極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「話すことはありません。その件でしたら、忘れていただいて大丈夫です。私も忘れます。なかったことにしましょう。あれは、ただの一夜の過ちです」


今日ずっと考えていたけれど、そうすることがお互いのためのような気がした。

お互いに忘れて、なかったことにして。月曜日からまたいつも通りに仕事をこなす。

多少の気まずさは残るかもしれないけれど、時間が経てばそれも少しずつ消えていくような気もする。

けれど……。


「悪いが、そうはいかないんだ」


背後で、千紘社長が困ったように笑うのが分かった。

同時に、私の手首を強く握っていた彼の手の力が少しだけ弱くなる。


「俺は、笹崎さんとの昨夜の関係を一夜の過ちで終わらせるつもりはない。これからのことを話して、きちんと責任を取りたいと思っている」

「責任?」


その言葉が気になり、思わず後ろを振り向いてしまった。
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