極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「本当にここの社長さんは優しいわね。私の脚立が揺れていて危ないからって、すぐに駆け寄ってきてくれたのよ」

「そうだったのですね」

「清掃の仕事で今まで会社をいくつか回ったけど、社長の顔すら知らないところがほとんどだったし、話をしたことなんてなかったけれど。でも、ここの社長さんは顔を見ればお疲れ様ですって丁寧にあいさつをしてくれて、世間話もしてくれるんだから珍しい社長さんよね」


小野さんの話を聞きながら、千紘社長らしいと思った。

小野さんだけではなく、警備員や社内カフェの方々など、千紘社長は社内のすべての人に丁寧な態度で接しているから。


「性格もよくて、背も高くて顔もかっこいい。それに、まだ若いのにこんなに大きな会社の社長を務められていて本当にすごいわ。あんなにいい男とはそうそう出会ないよ」


独り言のように呟くと、小野さんは掃除の手を止めてふと私を見る。


「あなたは幸せ者ね。あんなに素敵な社長さんのそばで仕事ができるんだから」

「そうですね。私も、そう思います」


その言葉に、私は深く頷いた。

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