極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「秘書室、笹崎です」

『笹崎さん。今から社長室まで来られる?』

「はい。すぐに伺います」


受話器を置くと席を立ち、私は社長室へと向かった。


「失礼します」


扉をノックしてから入室すると、千紘社長は執務机でパソコンを操作している。


「社長。お呼びでしょうか」

「さっきの森園建設からの電話はうまく断れた?」

「はい。今日のところは。ですが、明日また掛け直すそうです」

「そうか……」


私の報告を聞いた千紘社長の表情が険しい。

しばらくすると、彼にしては珍しく低い冷たい声で「しつこいな」とぼやいた。けれど、すぐに私に笑顔を向けて、いつもの穏やかな口調に戻る。


「笹崎さん。申し訳ないけど、森園社長からの電話は今後一切俺に取り次がないでもらえるかな」

「……よろしいのですか?」
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