極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
それにしても、冷静になって考えてみれば、千紘さんはそんなひどいことをするような人じゃないと少しも疑わずに彼を信じられたはずなのに。

妊娠のことも重なり、不安や動揺から、私には冷静さが欠けていたのかもしれない。

そういえば、妊娠をどう伝えよう……。

千紘さんが下げていた頭を上げると、私の瞳をじっと見つめながら力なく微笑む。


「今の説明で、誤解は解けたかな」

「はい」


私が頷いたのを見て、「よかったと」呟き、千紘さんは安心したように笑った。


「俺が好きなのは桃子だけだよ」


ストレートなその言葉にトクンと胸が高鳴る。同時に、キュッと締め付けられるように苦しくもなって、なんだか泣きたい気持ちになった。


「桃子、左手出して」


左手?

不思議に思いながらも千紘さんに言われた通り左手を出してテーブルに乗せる。
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