極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
給湯室でお茶を淹れて持っていくと、コーヒーの気分だったらしく、急いで淹れ直してから再度お出しした。

けれど、それにはまったく口をつけず、対面に座った私にいきなり話を始める。


「私が、君を訪ねた理由は分かるかな」


森園社長はソファに浅く座ったまま背もたれによりかかると、胸の前で腕を組んだ。


「君は、千紘君と交際をしていると聞いたが、それは本当だろうか」


やっぱり森園社長が私を訪ねた理由は千紘さんとの関係についてだった。

その問いに対して、嘘はつきたくなくて「はい」と私は静かに頷いた。すると、森園社長があからさまに大きなため息を吐く。


「君は自分の身分を分かっているのか。秘書の分際で千紘君をどうたぶらかしたか知らないが、身の程知らずにも程がある」

「そんな、たぶらかしてなんて……」


小さな声で反論しようとすると、森園社長に鋭い視線を向けられて、私は口を閉じた。
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