極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
社長室に入ると、千紘社長はさっそく執務机へと向かい、スーツの上着を脱ぐとイスの背もたれにかけた。そのまま立った状態で、腰を少しだけ屈めてパソコンの電源を素早くつける。


「それじゃあ笹崎さんはこの資料をそこのファイルに件名ごとまとめてしまっておいてくれるかな」

「わかりました」

「よろしくね」


千紘社長からさきほどの会議で使っていた資料を受け取ろうとすると、思わず彼の手に私の手が触れてしまった。


「あっ、すみません」


とっさに謝ったものの、触れてしまった手が何だか熱い気がして気になる。そっと彼の顔を見上げれば、頬がほんのりと赤くなっているような……。


「社長。少しだけ失礼します」


心配になった私はとっさに千紘社長へ手を伸ばし、彼のおでこに触れた。そして、もう片方の手を自分のおでこに当てて、比べてみる。


「熱はないようですね」


よかった。一安心して千紘社長のおでこから手を離すと、驚いたように目を見開いている彼と視線がぶつかる。
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