秘密事項:同僚と勢いで結婚した

「……穂高くんの考えてることって意外と読めない…」

「俺は割と葉山の考えてること読めるけどね」


パッと私の頭から手を離して食器を洗い始める彼の手を、私は名残惜しいと顔に書いたような表情で見つめてしまう。
自分よりもしっかりした手の甲で、肌の色は健康的な色だった。


寝間着のスウェット姿も、寝癖で後頭部の方が跳ねている髪も、いつも私よりも早く支度して家を出てしまうからあまり見たことがない穂高くんの寝起き顔も。


(ギャップ萌え…?)


密かに身体の奥から込み上がってくる自分の熱に気づくと、恥ずかしくなって私は俯いてしまった。
その状態で、私は穂高くんに話しかける。


「……ねぇ…」

「ん?」

「………お昼ご飯と晩ご飯、一緒に作ろ…?」


その日から、

『お家で2人揃って食事をする時は一緒に食べる』

という契約が追加された。


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