秘密事項:同僚と勢いで結婚した
伝われ
李side
私は最近困っている。
「なぁ、俺のこと好き?」
執拗なほどに、毎日(1日3回くらいの頻度で)問われる質問。
「うん」
「頷くんじゃなくて『好き』って言葉で聞きたいんだけど…」
「っ……」
ウブなフリなんてしてない。純情なわけないし、ましてや処女なわけでもないのに。
「好きだよ」
何気ない感じで、全く熱を込めずに放ってしまう。
心の底から好きになった人相手でも、恥ずかしくて…。
熱い雰囲気に飲まれかけても、『余裕です』と主張するような表情を浮かべてしまうのだ。
(この可愛げのなさが、元カレに浮気される理由の一つだったと思うけど…)
変われない。
根本的な自分の性格は、どんなに頑張っても変えられない。
「俺も好きだよ」
穂高くんは愛情がヒタヒタに浸(し)みた言葉で伝えてくれる。多幸感に包まれて、満たされるような毎日。
「………葉山、抱きしめさせて」
穂高くんの溺愛は止まない。