秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「のっちゃん……どうしよう…?」
「まず両想いおめでとうだわ」
「付き合ったって報告、のっちゃんだけにしてるから、まだ内密に…!」
「はいはい了解〜」
こういう時に相談するのは、やっぱり同じ経理部で頼りになる姉的存在の紀香ちゃんことのっちゃん。そして決まって社食でご飯を食べながらのヒソヒソ話を繰り広げる。
「穂高、不安なのかもね。本当に好きなのか確認したくて何回も質問するとか、意外と女々しいところあるのね」
「不安…か…」
「片想い期間長かったからまだ夢見心地だったりして」
私の愛情表現が下手なせいだ。
不安な想いをさせてしまっているのなら、何とかしてその不安を取り除きたい。
(どうしたらいいんだろう…)
頭の中で昼ごはんに選んだうどんをすすりながら思考していると…
「エッチすれば?」
と、唐突にのっちゃんが言うので…
《ゴホッ…!》
盛大に私は咽せた。
「あ、ごめん。昼間の社食で言う言葉じゃなかった」
いやいや!そこじゃないでしょ!と突っ込みを入れたい気持ちに駆られつつ、咳き込み続けた。
「まだシてないの?」
首を一度縦に振ると、のっちゃんはお水を飲み干したのち、言葉を続ける。