秘密事項:同僚と勢いで結婚した


「……気持ち、伝わったよ」

「…………いちいち報告するなぁ…」


真面目に世界一自分の嫁が可愛いと思う。長年片想いした後、やっと手に入れたからもあるだろう。

手に入れ方は卑怯で、傷みに漬け込むような最低な結婚の仕方をした。
両想いになって、『夢を見てるんじゃないか』なんて簡単に現実を受け入れられずに葉山の気持ちを疑ったりして。


「……泣かせてごめん。」

「私こそ、泣いてごめん。たくさん愛情表現してもらってるのに私は何もできてないって思ったらお酒のせいかポロリと…」


隣に座って話を聞く。苦笑いをする葉山の頭を撫でると、柔らかい表情を浮かべて見つめてきた。


「……俺、独占欲も執着心も強いよ。」

「うん」

「でも、世界一葉山のこと大好きな自信はある」

「…よくもそんな…簡単に恥ずかしいこと言えるよね…」

「………葉山…」

「……ん?」


これからも色んなことですれ違ったり、落ち込んだり、悲しんだりするかもしれない。


それでも夫婦として、いつまでも愛し合って行けたら…なんて思う。





「好きになってくれてありがとう」

「………うん…」

「これからもよろしく」





自分の手で幸せにしていくと誓い、触れ合わせるだけのキスを葉山と交わした。

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