秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「………これは会社では開けられないわ……」
白い紙袋の中、小さなメモを見つける。正方形の黄色い紙に青色のペンで書かれていた文字はというと…
『誕生日おめでとう〜! これ着て営みガンバっ!(笑)』
(……なんて呑気なっ!)
メモを読み終えてカッと顔に熱を帯びた。それを冷ますべく扇風機の前へ移動する。
なんだかんだ、未だに穂高くんは手を出してこない。
左手の薬指にお揃いのシルバーリングをしても、寝室は別々で。
『おやすみ〜』
『ん。おやすみ』
夜の挨拶を交わせば自室でそれぞれの夜を過ごす。
穂高くんが何をしているのかは全くわからない。
何を考えているかもわからない。
タイミングを逃しているだけだと思ってはいたけれど…。
(…………私の魅力がないから…?)
なんてネガティブな思考が身を包む。
(……胸は標準…。最近はちょっと痩せて肌もニキビとかないし…。あっ…ムダ毛…?)
自分の足や腕を見つめるが最近処理したばかりで、うぶ毛すら生えていない。
可愛い下着を身に纏えば自信もつくだろうか。
(………そもそもサイズあってるのかな…?)
これは好奇心。
あまり見たことがないエッチなランジェリー。紙袋にはシースルーネグリジェも入っている。
(……試着…。というか一人で着て楽しむくらい良いよね)
せっかくのっちゃんが選んでプレゼントしてくれた物。
穂高くんに見せるわけでもないし。
なんて思いながら着てみた。
その時だ。